自動車業界は大きな変革の時代を迎えようとしています。エネルギー効率、環境適合性、安全性、接続可能性、フレキシビリティ等に対する要請は高まり、変化しています。電気自動車が本当に未来の車なのか。ハイブリッド車や水素自動車等が次世代自動車になる可能性はないのか。内燃エンジンに生き残るチャンスはあるのか。設計者達は自動車製造において最大限の安全性を維持しつつ車体重量と製造コストを削減すべくしのぎを削っていますが、簡単な課題ではありません。車の利用方法についても、より効率的で柔軟で安全な方法が追求され、やがては自動運転にまで至ろうとしています。日本とドイツはこれらの共通する課題に直面しています。
2018年日独経済シンポジウムでは、日独両国の専門家がこれらの課題に関する業界の展望、技術的革新並びに国境を越えた協力の可能性について議論すべく、参加者350名のもと、ノルトライン=ヴェストファーレン州経済・イノベーション・デジタル化・エネルギー省大臣Prof. Dr. アンドレアス・ピンクヴァルト、在デュッセルドルフ日本国総領事水内龍太、デュッセルドルフ市長トーマス・ガイゼル、在デュッセルドルフ日本商工会議所会頭奥村彰規が開会の挨拶を行いました。
基調講演では、ドイツ側はKirchhoff Automotive Holdingマネージングパートナー兼CEOでドイツ自動車工業会副会長のアルントG.キルヒホッフ氏が「大変革期に於ける自動車部品メーカ デジタル化とEモビリティのはざまで」、日本側は日本自動車工業会欧州事務所所長である岡紳一郎が「日本のモビリティビジョンと日欧協力の可能性」について発表しました。
次に企業の実践例として6つのケーススタディが紹介されました。
Toyota Motor Europeベルリン事務所副所長 フェルトマン真理子
「Driving Change - トヨタ環境チャレンジ2050」
Asahi Kasei Europe GmbH R&Dセンターセンター長 仲二見裕美
「欧州での旭化成の次世代自動車への挑戦」
Renesas Electronics Europe ADASビジネス部ソリューションマネジャー ウヴェ・ヴェストマイェル
「先進運転支援システム及び自動運転のグローバルソリューション」
Ericsson最高経営責任者シュテファン・キョツ
「5Gテクノロジーに向けて:業際R&D連携の例」
Streetscooter GmbH副社長 Dr. ヨルク・サロモン
「Streetscooter - スタートアップからドイツ最大のEモビリティプロジェクトへ」
Thyssenkrupp AG CTO Dr. ラインホルト・アハツ
「エネルギー転換の枠組みにおけるオートモビリティ」
最後に、TÜV Rheinland Group モビリティ部門EVP のDr. マティアス・シュベルトが司会を務め、ケーススタディ6名によるパネルディスカッションが行われ、本課題についての活発な意見交換の他、将来の多種多彩な日独協力の可能性を探りました。